アイルランド語の起源は日本語とは全く離れたところにあり、両言語全く違う言語です。
が、無理やり似ているところを探し出したいと思います。
人間が使う言語ですから、どこかしら似ているところがあると思うのです。
思いつく類似点は2つ。
- 質問に対する答え方
疑問文の動詞を使ってYes/Noを表現 - ものの数え方にひとクセあり
数える対象によって言い方が変化する
どんな風に似ているか、ダラダラと書いていきたいと思います。
アイルランド語と日本語の類似点
質問に対する答え方
アイルランド語にYes/Noにあたる単語は基本的に存在しません。
質問文の動詞を使って答えます。
例えば、英語で以下のような問答があります。
Do you understand?
Yes, I do./No I don’t.
訳:わかりますか?(わかりましたか?)
はい/いいえ
アイルランド語では次のように言います。
赤字の部分がunderstandに当たる単語です。
①An dtuigeann tú?(アン・ディゲン・トゥ)
②Tuigim./Ní thuigim.(ツィギム/ニー・ヒギム)
注:アイルランド語は動詞が変化しますが、ここでは気にしないでください。
(メモ参照)
①の質問文で使われている動詞を使って②で答えています。
②の英訳はI understand./I don’t understand.となりYes/Noが使われていません。
(Níはnotという意味です)
…と思ったのですが、日本語でもよくやっていることに気が付きました。
日本語の場合「はい、いいえ」という言葉が存在しますが、一方でこんな答え方も一般的です。
わかりましたか?
わかりました。/わかりません。
日本語でも動詞を使ってYes/Noを表現しています。
もちろん、「はい、いいえ」で答えることもあります。
しかし、「わかりました」のほうが相手との距離感が近かったり、流ちょうな感じがします。
アイルランド語だと難しく感じますが、日本語でも自然と似たように言っているんですね。
アイルランド語は以下の条件により動詞が変化します。
- 時制
- 主語
- 前に置かれる単語
難しく感じますが、日本語も「わかる」「わからない」「わかってよ~!」などと活用します。
なので難しさはお互いさまです(笑)
つまり…
Yes/Noを動詞で答えるところが似ている!
ものの数え方のクセ
アイルランド語では、ものを数えるとき数字の言い方が変化します。
アイルランド語の基本的な数字の読み方は以下の通り。
1=a haon(アヒォン/アヘーン)
2=a dó (アドー)
3=a trí (アトゥリー)
しかし、物を数えるときはその姿を変えるのです!
1ユーロ=euro
2ユーロ=dhá euro(ゴー・ユーロ)
3ユーロ=trí euro
2ユーロだからといって、単純にdó euroというわけではないのです。
また、人数を数えるときも変化します。
1人=名詞のみ
2人=beirt+名詞
3人=triúr+名詞
今度は2も3も言い方が変わってしまいます。
複雑~と思いますよね。
覚えるしかないのです…。
日本語の”ものの数え方”もかなり複雑です。
鉛筆を数える場合
イッポン、ニホン、サンボン…
人を数える場合
ヒトリ、フタリ、サンニン…
規則性…ないですよね。。。
こちらも日本語学習者にしてみたら覚えるしかないのです。
つまり…
ものの数え方が複雑なところが似ている!
アイルランド語のものの数え方に関しては以下の記事でも解説しています。
めっちゃ暇なときにでもご覧ください。
おわりに|アイルランド語も日本語も複雑
アイルランド語と日本語の似ている点を無理やり洗い出してみました。
- 質問に対する答え方
疑問文の動詞を使ってYes/Noを表現 - ものの数え方のクセ
数える対象によって言い方が変化する
ざっくりいうと、複雑さが似ているといった感じでしょうか。
一方で英語は歴史の中で、文法がある程度単純化されました。(活用や名詞の性ががなくなったり)
だから英語が簡単というわけではありませんが…
そういう広い目で見ると、文法に対する抵抗感がなくなるのでは……なくなりませんかね(笑)
アイルランド語はインドヨーロッパ祖語のケルト語派で、日本語とは全く異なります。
ですが冒頭でも書いた通り、「人間が使う言語なので、どこかしら似ているところがある」と思うのです。
文法について考えるときにただ覚えるのではなく、どのような気持ちが働き言葉を発するかを考えると腑に落ちることがあります。
アイルランド語に限らず、こんな感じで楽しみながら言語学習をしていきたいなと思っています。