この記事では、オススメのアイルランド語に関する動画をご紹介します。
ご紹介する動画は、Des BishopというコメディアンのIn the Name of the Fadaというものです。
早口な英語に、アイルランド語も混ざっていてとても難しいのですが、アイルランド語に興味がある人にとっては、面白い内容になっています。
この記事では、この動画を理解しやすいように、アイルランド語のポイントを簡単に書いていきます。
In the Name of the Fadaとは
あらすじ
アイルランド系アメリカ人のコメディアンDes Bishopが、アイルランド語を話す地域(Ghaeltacht/ゲールタハト)で1年間アイルランド語の勉強をし、アイルランド語でスタンダップコメディをすることを目指すドキュメンタリーです。
動画内ではアイルランド語の勉強に加え、スポーツや音楽などを体験しゲールタハトの生活になじんでいます。
番組中には、自身の経験をもとにしたスタンダップコメディが挿入されます。
放送:2008年
シリーズ数:6
舞台:アイルランド西部 コネマラ地域
Fadaとは
アルファベットの上につくアクセント記号のことです。
Des Bishoptとは
ニューヨーク生まれのアイルランド系アメリカ人のコメディアンで、14歳の時にアイルランドに渡ったそうです。
アイルランドで様々なテレビ番組に出演しており、このIn the Name of the Fadaも代表作の一つです。
2013年には中国に渡り、中国語を勉強しました。
動画を理解するためのアイルランド語のポイント
動画の9:49あたりから数字や数え方の話をしていますが、強い言葉を使ってかな~り文句を言っています(笑)
物の数え方が変化し、覚えるのが難しいからです。
数字や物の数え方の簡単なポイントを以下で解説します。
なお、発音はカタカナでは表記しきれませんが、なるべく近くなるように表記しています。
数字のスペル・発音
まずは基本の数字の表現です。
1 | a haon (アヒォン/アヘーン) |
2 | a dó (アドー) |
3 | a trí (アトゥリー) |
計算の時などは頭の「a」をつけずにaon、dó、trí となります。
ですが、多くの場合aを付けるのでaとセットで覚えるのが良いです。
(注:aonの前にaを付けると語形変化が起こりa haonとなります。)
動画の中で「dóはtwo。覚えた。オッケー」といったことを言っています。
簡単そうに見えますが…
物の数え方
物を数えるときには、上記の数字表現はその姿を変えます。
英語 | アイルランド語 |
one euro | euro |
two euro | dhá euro(ゴー・ユーロ) |
three euro | trí euro |
「2ユーロを持っています」というときに、dó euroでは間違いです。
「dhá euro」です。
読めない!!ってなりますね(笑)
dháの発音
ゴーであってゴーでない…
喉の奥から声を出す感じ。
うがいをする感じです(笑)
Desも動画の中で大袈裟に再現しています。
人の数え方
人の数え方になると、また変化します。
せっかく覚えたのに、2人=dháではないのです。
以下のようになります。
1人 | 名詞のみ または 名詞+amháin(アワイン) |
2人 | beirt(ビャルツ/バート) |
3人 | triúr (ツルー) |
動画ではborher(兄弟)に言及しているので、brotherを数えるときの例を挙げます。
単数形:deartháir(ジェフール)
複数形:deartháireacha(ジェフラッハ)
英語 | アイルランド語 |
one brother | deartháir または deartháir amháin |
two brothers | beirt deartháireacha |
three brothers | triúr deartháireacha |
Desも思い切り突っ込んでいますが、日本的(関西的?)にいえば、
「なんでやねん!」でしょうか。
アイルランド語を学んでいると、日本語の面倒くささにも気づきます。
1本、2本、3本の読み方は「イッポン、ニホン、サンボン」…
全部違います。
この難しさは、アイルランド語と共通すするものがあるなと感じます。
動画に出てくるアイルランド語基本フレーズ
それでは、動画に出てくる簡単なアイルランド語フレーズをここでご紹介します。
Des Bishopはコネマラ地域に滞在しているので、発音やフレーズはコネマラ方言になります。
Cén chaoi a bhfuil tú?
意味:How are you?
発音:ケンフィーウィルトゥ
1:33で、ステイ先の人がCén chaoi a bhfuil tú?と言っていますね。
これはコネマラ特有の言い方です。
ダブリン周辺の地域などではConas atá tú.(コナスアタートゥ)と言うようです。
他にも各方言でそれぞれの言い方があります。
chaoiの発音は無理やりカタカナにしていますが、実際には喉から息を出すように発音します。
2人以上に声をかける場合は、Cén chaoi a bhfuil sibh?(ケンフィーウィルシブ)となります。
Tá mé go maith.
意味:I am fine. (I am good.)
発音:ターメーゴマー
Cén chaoi a bhfuil tú?はHow are you?という意味だよと言われて(早口で聞き取れなかったようです)、1:56でTá mé go maith.と答えています。
maith自体がgoodという意味ですが、I’m fine.というときや、天気が良いというときは、go maith(ゴマ)と言います。
このブログの名前もここから取りました^^
an lá go dona
意味:the bad day(天気が悪い)
発音:アンロー・ゴドナ
Desの語りのシーン、2:32で言っています。
滞在1日目は天気が非常に悪かったようですが、アイルランド、特にこの地域ではよく悪天になるようです。
それぞれの単語の意味は以下の通りです。
an:定冠詞(the)
lá:day
go dona:bad(donaがbadという意味だが、天気を表すのでgoがつく)
Tá sé fliuch.
意味:It is wet.(すごい雨だね)
発音:タシェフラッフ
上の続きでTá sé fliuch.とも言っています。
雨が降っているときに言います。
fliuchのchの発音も、英語や日本語に無い発音で、喉から息を出すように発音します。
Desは母語が英語なので、英語の影響を受けて〔k〕と発音しています。
アイルランドは英語を話す人が圧倒的に多いので、普段は英語で生活しているアイリッシュはchを〔k〕と発音する人も多いです。
ですので、これは間違いだ!ととらえるよりも、両方の発音を聞き取れるようにするのが良いと思います。
iontach
意味:wonderful
発音:イントフ
コメディショーに使う場所を見せてもらっている場面、4:12でperfectって何ていうの?と尋ねているところです。
iontachは本当によく聞きます。
先生が生徒にexcellentというような場面でも使われます。
Go raibh maith agat.
意味:ありがとう
発音:ゴロマーハッド
9:17で音声を聞きながら発音を録音しています。
Desはagatの発音に戸惑っています。
他の地域ではゴロマーフグッドなどと発音されるのですが、コネマラではgの発音が消えるのです。
「他の地域ではアガットて言うよね?」とDesは言いますが、
「でもお前さんは今コネマラにいるんや」と言われてしまいます(笑)
長くなってしまったのでここまで!
番組の企画ではありますが、Des Bishopの努力はすごいなと思います。
少し古い動画ではありますが、ゲールタハトの暮らしを覗いてみる感覚でも楽しめると思います。
動画は1~6までありますので、チェックしてみてください!